3年で辞めた若者はどこへ行ったのか 【18】

NO BOOK,NO LIFE!

読んだ本について要約して魅力を伝えます。本から得た概念をすぐ使います。

3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代 (ちくま新書)












■選択の理由

  • 久しぶりに新入社員が入ってきた。幻滅させないように。


capsule review

  • 学生は「日本企業が割に合わない」という事実に、とっくに気づいている。「やる気があって前向きで、アンテナの高い学生たち」から、日本企業の側が見捨てられている。
  • 「なんとなく大企業に入りたい」「なんとなく定年まで過ごしたい」等、昭和的価値観に必ず顔を出す“なんとなく”という対極にあるのが、『主体性』。
  • まだまだ日本には潜在的な就労希望者が埋もれている。たった数年前に卒業し、現在はフリーターとして食いつなぐ氷河期世代、転職市場から締め出された中高年、そして女性たち。彼らを受け入れ、同じ土俵で評価できる価値観こそ、企業が作り、持つべき平成的価値観。


■zukyun

  • 日本の賃金は、強い下方硬直性(一度上がったらなかなか下がらない)を持つため、不況に突入すると高止まりし、経営を圧迫する。非正規雇用の急増と、成果主義による昇給抑制は、まさに「若者は既得権を守るために踏み台にされた」ことになる。「既に給料が上がってしまった人」のおかげで、分配率が高止まりしている。
  • 社内で完結してしまう人生。日本人の愛社精神は、単に他の選択肢がないことの裏返しでしかない。個人が精神的に満ち足りた国ではない。
  • 他人任せではなく、自分で舵を取るという決意。船倉でただ波風に祈るのではなく、手足を動かし汗をかく実感。それこそ、人間が本来持っていた生の強さの根源。


■move into action-18

  • 「日本企業は待遇が低く、その後のキャリアも見えづらい」。「若者がバカになった」のではなく、「日本企業のメッキが剥がれた」という方が正しい。対策は、処遇を決める基準を、勤続年数から能力に置き換えること。


響きの良い成果主義は、実は年功序列のせいで進んでいないのでは? ニートは、やりたいことがないのではなく、実はやりたいことが今の日本の会社では実現できないと気付いているのでは? 思考停止のオジサンたちより、今の若者の方が、実はちゃんと将来を考えているのかもしれませんね。

明日からは・・・
「最近の若者ときたら・・・」を禁句にして、考え方や行動をじっくり観察してから判断しようと思います。